"Welcome to Paradise" test proxy data

degital data , Jun Iizuka 2019

1980年行以降。あらゆる分野でポストモダンという言葉が使われてきたが、ジャン・ボードリヤールが提唱した「シミュラークルとシュミレーション= 全ての存在が記号化され、実態を失っていく世界」が現実となった。ソーシャルネットワークの普及により、「モノの価値はモノそのも のの使用価値ではなくモノに付与された差異化の記号」にあるとされた記号論も、価値観の多様化によって"モノ"から"イメージ"へと記号価値が変化し、細分化されたコミュニティの中で「フォロワー」と呼ばれる「支持者」の数字が新たな記号的価値となった。そのフォロワーの獲得には、共感・支持 される美しいビジュアルイメージの獲得が必要となり、InstagramerやYoutuber といった影響力を持つ個人が新しい地位を確立し、新しい広告モデルや市場を生み出し始め、「理解しやすさ」と「大多数が良いとするであろう世界の見え方」によって作られたユートピアが完成に向かっている。

"Welcome to Paradise" シリーズは、SNS上に投稿された"楽園的なバカンス"の画像を選定し、一部をサンプリング。アナログ出力デジタル改変を繰り返しながらコマーシャル的デジタル絵画として制作した。インターネットを第二の海と比喩されることから、渚(誕生と死の境界)をテーマとし、デジタル画像による仮想現実をディストピアとして描いている。二階調化され、粗いインク。体温などによって消えていく。形而上学、構造主義、ポストモダンを経て、新たな実在論が提唱され始めている中、「光で描く 画・光画」としての役割を再解釈しながら、時代の光景を捉えようとしてき た人類のテーゼとしての「フォトグラフ」を作品における重要な要素とし、本シリーズを制作。

何処にも存在しない、空想上の楽園は、現実に存在しない加工改変を繰り返し作り上げるイメージそのものの無意味さを解き、映画「ダークシティ」で描かれている改変されたビーチの記憶のように虚像となって実体化していく。

Jun Iizuka

 © Jun Iizuka

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